かつて、のりは高級な進物品として重宝されていました。その価値はおいしさと希少性によって支えられていました。しかし、過去半世紀の間に生産技術が革命を遂げ、回転寿司やコンビニで気軽にのりが楽しめるようになりました。その結果、野菜や果物と同様に一貫した品質と安定供給が求められるようになり、コスパ重視の商品の中で、高価でおいしいのりは市場のシェアを失っていきました。 このような状況が30年近く続いている中、Z世代の多くは本当においしいのりに出会えていないと私たちは思っています。こんなにもおいしいのりの魅力が伝わらないという事実に、私たちは大きな悔しさを感じていました。
一方で、デジタルネイティブの世代が「写ルンです」や「チェキ」のようなレトロな商品に魅了されていることを耳にします。おじさん世代にとってそれは「懐かしい」ものですが、Z世代には「新しい」魅力として受け入れられています。
少し話はそれて、ヴィーガンの友人が語ったプラントベースのエビの話。「頭では植物だと分かっていても、目の前にエビとして存在しているから、どうしても食べられなかったんだ」言っていました。その話から、視覚や感じるリアリティの力を改めて感じました。何か別のものを真似をする必要はない、その食材が持つ、自然な食感と風味を活かす新しいもの、が重要なのだと。
のりとフィルムカメラとプラントベースのエビのばらばらな3つの話がカチリと繋がりました。過去と現在、そして未来に繋がる商品を作りたい。私たち「のりもも」は、従来ののりの食べ方を革命化する新しい方法を探求しています。 「のりもも」のポップなデザインは、新しいのりの世界を築きたいという強い意志の表れです。